論説文や評論文の四択問題の解き方

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論説文や評論文の四択問題は、物語文の四択問題とは違った難しさがある。

 

というのも論説文や評論文は、常識を疑うような論旨が多いため、子供が持っている常識を否定するような答えも多いからだ。

 

四択問題が問うているのは、本文の内容を読み取る力と、言葉や表現の言い換えができるかどうかなのだが、それ以前に「自分の持っている常識を疑えるか?」という問題がある。

 

自分の持っている知識や常識に反する選択肢は、親の言うことをそのまま受け入れる子供には、選びにくい

 

他人の意見を受け入れにくいのは、大人になっても同様で、頑固な人は本当に頑固だから、どうしようもない。

 

男の子であろうと女の子であろうと、頑固な子供というのはたくさんいるのだ。

 

そう言う場合は強い口調で、「アンタの意見じゃなくて、筆者の意見をあてるんだよ」と叱るしかない。

 

あるいは「自分には自分の考えがあるように、他人には他人の考えがあるんだ」ということを常に言い続けるしかないだろう。

 

しかしこれは頑固な子供にはなかなか難しいので、上手く行くかどうかはわからない。

 

こういう場合はもう、比較文明論のような、国によって常識は違うんだという文章ばかり読ませて、常識の相対化を図るしかないかも。

 

そして、さらにそれが腑に落ちたとしても、次の関門が待っている。

 

それが「道徳的には正しいが、本文に合わない選択肢」だ。

 


道徳的に正しくても、試験ではダメ

論説文や評論文の四択問題の解き方。

 

四択問題とは、本文の内容に合った文章を四つの文章(選択肢)から選ぶ問題だ。

 

記号で答える問題だから、是非とも得点したい問題である。

 

三択や五択ではなく四択になる理由は、三択では紛れ当たりの可能性が高くなるし、五択の選択肢は作るのが難しいということだろう。

 

たとえば理科の選択肢を作る場合は、必要要件が2つあれば、それで簡単に四択問題が作れる。

 

たとえば寒冷前線を題材にして四択を作るとすれば、・前線通過後の気温の変化・前線による雨の降り方の違いという要件が二つある。

 

この2つを組み合わせると、四択問題が簡単に作れる。

 

  • 寒冷前線が通ると、急に気温が下がって、激しく雨が降る。

     

  • 寒冷前線が通ると、急に気温が下がって、しとしと雨が降る
  • 寒冷前線が通ると、気温がゆっくり下がって、激しく雨が降る
  • 寒冷前線が通ると、気温がゆっくり下がって、しとしと雨が降る
というかんじだ。

 

論説文や評論文の四択問題の正答は、・世間の常識は○○だが、筆者の意見は××だ。

 

・○○ということは確かに問題だが、それ以上の価値があると言う風な正答が基本になって、四つのバリエーションができる。

 

たとえば『帰れま10』などのテレビ番組で、「ランキングを全て当てるまで、食べ物を食べ続けるのは面白い」というような評論文があったとしたら、道徳的な選択肢が作りやすい。

 

「世界には飢餓で飢えている子供がたくさんいるので、著者は食べ物を食べ続ける番組に警鐘を鳴らしている」「食べ物で遊んではいけないので、著者は面白さのために食べ物をオモチャにするのはダメだと考えている」などというような選択肢が作られ、それに引っかかる子供が続出する。

 

この選択肢は、道徳的に正しいことを言っているので、ついつい選んでしまうのだろうが、本文の著者はそんなことを言っていないので、ダメだって事だね。

 



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