特殊算の解き方 仕事算・ニュートン算・他記事一覧

中学受験の算数には、特殊算と呼ばれる様々な独特の解法がある。ツルカメ算とか、植木算とか、仕事算などというヤツが特殊算で、およそ20種類くらいあるとされる。特殊算は、数学で学ぶ方程式などを使わずに解く「便法」だ。小学生段階では、連立方程式を習わないので、連立方程式を使わずに、ツルカメ算を使ったりするわけだ。ということで、ここからは、様々な特殊算について書いていくことにする。今回は「仕事算」だ。

中学受験で良く出題される「仕事算」。もう少し複雑な仕事算も考えてみよう。たとえば仕事をするメンバーを、3人に増やすパターン。仕事算 例題2A君は、ある仕事を完成させるのに10日かかります。B君は、同じ仕事を完成させるのに9日かかります。C君は、同じ仕事を完成させるのに8日かかります。A君とB君とC君が協力してこの仕事を始めれば、何日目に完成しますか?3人が協力して毎日仕事をする場合は、メンバーを増...

仕事算とは、「工数管理(こうすうかんり)」のことだ。モノを作ったり成し遂げる「プロジェクト」には様々な工程があり、それぞれの工程でさまざまな資源や労働量が必要になる。その必要な工程や、必要な作業時間(工数)を考えて最適化するのが、工数管理だ。工数は「人時(にんじ)」とか「人日(にんにち)」とか「人月(にんげつ)」といった単位で表されることが多い。人時(にんじ)とは、1時間あたりの平均作業量のことで...

仕事算は、工数管理を考える計算のことだ。工数管理とは、仕事に必要な作業量を計算し、適切な人員配置を行うための計算だ。ビジネスでは、人時・人日・人月(にんじ、にんにち、にんげつ)という単位で計算される。人時というのは、一人が1時間で出来る平均作業量のことで、人日とは、一人が一日で出来る平均作業量のことを指す。人材派遣や外注の場合は、仕様を決めた後、人日とか人月で作業工程を計算して、見積もりを出したり...

仕事算は全体の仕事量を1と置くよりも、公倍数を使った方が、後々の計算が楽になる。もちろんこれは「便法」であり、子供から「なぜ?」と尋ねられても、明確に応える事はできない。説明の仕方とすれば、全体の仕事量を「1」、すなわち100%に決める方が、子供にとって分かりやすいハズだ。ただ算数や数学というのは「あとあと計算しやすいから」「この方が便利だから」という理由で、定義が作られていることも多い。なので「...

仕事算は、中学受験で良く出題される分野だ。というのも簡単なようでいて、様々なバリエーションを作ることが出来るのだ。食塩水の混ぜ合わせ問題だと、かなりの難関校でないと難しすぎて出題できない。しかし仕事算だと、多少複雑でも難易度はそんなに高くないから、出題しやすい。天才的な頭脳は持たないが、コツコツと根気よく考えられる子供なら解けるタイプの問題が多い。ということで次は、作業するメンバーの仕事率を考える...

のべ算(延べ算)とは、まず「のべ」を計算してから解くタイプの問題だ。帰一算(きいちざん)ともいうが、仕事算に似た問題も多い。ただ仕事算では、仕事をするメンバーの仕事率にバラツキがあったが、延べ算ではメンバーの仕事効率を区別しない。報酬も、あくまでも全員均等に分配するというのが、延べ算の特徴だ。のべ算 例題1仲良し5人組で、日帰り旅行に出かけました。目的地には、列車で2時間かかります。しかし列車の自...

ニュートン算とは、仕事算の発展系のような解き方をする問題の解法だ。たとえば仕事算では、全体の仕事量は変化しなかったが、仕事が後から後から追加されるような場合を考えるのがニュートン算だ。よくあるのが、水が少しずつ使われて抜けていくタンクに、ポンプで水を入れるようなポンプ問題だとか、行列ができているお店の待ち時間を考える行列待ち問題などだ。ポンプ問題では、水が抜けるのではなくて、水が入ってくる状態で、...

ニュートン算は、仕事算のバリエーションだ。仕事算では、成し遂げる仕事の量は変化しないが、ニュートン算では一定の割合で増えたり減ったりする。たとえば、一定の割合で水が流れ出している水槽に、水を入れる問題。あるいは、一定の割合で川から水が流れ込む池の水を抜く問題。これらはどちらもポンプを使うので、ポンプ問題と言うことにする。ニュートン算には、その他にも、牛を放牧する問題や、お店に並ぶ待ち行列問題などが...

ニュートン算は、仕事算の変形で、ポンプ問題や牛の放牧問題、待ち行列問題などがある。ポンプ問題は、ポンプで水を入れたり汲み出したりする問題。牛の放牧問題は、牧草地に牛を放牧する問題。最後の待ち行列問題は、お店や駅などで行列が出来ているときの問題になる。ニュートン算は、一定割合で増えたり減ったりする量と、最初に既にあった量が分からないところが難しい。解法としては、面積図やグラフを使った解法もあるが、ツ...