通過算 2編成の列車が追い抜いたり、すれ違ったりする問題。

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通過算とは、列車が橋やトンネルを通過するというタイプの問題だ。

 

通貨にかかる時間、列車の速度、列車の長さ、橋やトンネルの長さなど、様々な設問があるが、基本問題は比較的簡単だ。

 

基本問題のバリエーションとしては、

  • 橋を渡りきるのに必要な時間
  • トンネル内に隠れている時間

の2パターンがある。

 

これらは、1編成の列車が橋やトンネルを通過するというタイプの問題だ。

 

一方、応用問題として、2編成の列車が登場する通過算もある。

 

これは旅人算の応用でもある。

 

パターンとしては、

  • 後発の列車が先発の列車を追い抜く
  • 反対方向から来た列車がすれ違う

という2パターンがある。


 

通過算の解き方 後発の列車が先発の列車を追い抜く

通過算 列車の追い抜き問題 例題

都心部のある路線では、急行列車専用の快速線と、各駅停車専用の緩行線が、並行して走っています。

 

急行列車は時速84km、各駅列車は時速60kmで走ります。

 

また急行列車の長さは100m、各駅列車の長さは80mです。

 

始発駅では、各駅列車が発車したすぐあとに、快速急行も発車して追い抜きます。

 

急行列車が各駅列車の最後方に追いついてから、各駅列車を追い抜くまでにかかる時間は何秒ですか。

 

考え方

答えは秒数で答えるので、速さを全て秒速に換算します。

 

時速を分速に換算するには60で割ります。

 

さらに分速を秒速に換算するには、60で割ります。

 

なので時速から秒速に換算するには、60*60で割れば良いという事になります。

時速84km = 秒速84,000m÷(60×60) = 70/3 m
時速60km = 秒速60,000m÷(60×60) = 50/3 m

各駅列車に乗っている人から見た急行列車の速度(相対速度)は、

(70/3) - (50/3) = 20/3  m/秒

になります。

 

さて、急行列車が各駅列車に追いついて、完全に追い抜くというのは、次の図のような状態を指します。

通過算 列車の追い抜きの図

通過算 列車の追い抜きの図
急行列車の先頭が各駅列車の最後尾に来たところから、急行列車の最後尾が各駅列車の先頭より前に来たところまでが、追い抜き状態です。

 

つまり、急行列車の長さ+各駅列車の長さ の距離を、急行列車が追い抜いていく秒数を答えることになります。

(100m + 80m)÷(20/3) = 180×(3/20) = 27 秒  …答え

 

 

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通過算の解き方 列車がすれ違う問題

通過算には、2編成の列車が、すれ違うタイプの問題もあります。

 

通過算 列車がすれ違うタイプの例題

都心部のある路線では、急行列車と各駅停車が、別の線路上を走っています。

 

急行列車は時速84km、各駅列車は時速60kmで走ります。

 

また急行列車の長さは100m、各駅列車の長さは80mです。

 

各駅列車が走っていると、反対側から急行列車が走ってきました。

 

各駅列車と急行列車が、完全にすれ違うのにかかる時間は何秒ですか。

考え方

一つ前の例題と速度が同じように、秒速に換算します。

時速84km = 秒速 84,000m÷(60×60) = 70/3 m
時速60km = 秒速 60,000m÷(60×60) = 50/3 m

で、「相対速度」(あるいは接近速度)が問題になりますが、向かい合わせなので、足し算になります。

(70/3) + (50/3) = 40  m/秒

各駅列車に乗っている人から見ると、急行列車は秒速40mの速度で向かってくるわけですね。

 

通過算の解き方 列車がすれ違う場合の図

通過算の解き方 列車がすれ違う

 

秒速40mで、二編成の車両分を駆け抜けていくので、答えはこうなります。

(100m + 80m) ÷ 40 = 4.5 秒  …答え

 

考え方としては、旅人算の出会うパターンと同じですね。


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