ワーキングメモリーの浪費
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計算ミスは、誰でも、よくやる。
私も前回、計算ミスの例を作ろうとして分数の足し算を書いてみたら、何もしないのに間違えた。
数式の項の符号が、マイナスなのにプラスにしてしまっていたのだ。
分数計算の計算ミスの例
こういう風に、計算の途中式を右側に書いていくと、計算ミスを起こしやすい。
計算する数が増えれば増えるほど、計算間違いが起こる。
というのも左の式を右に移す際に、一旦数字を脳内に記憶するからだ。
これを「ワーキングメモリー」なんていう。
ワーキングメモリーは、ヒトによっても、体調によっても、エラーが出やすい。
そのために、脳内誤変換が起こる。
計算ミスが出る過程
数値をいったん脳に記憶して、それをまた出してきて書く。
その際に、計算ミスが出てしまう。
上の計算の例では、まず一番最初の分数を通分して、右側に書く。
次の項の分数も通分して、右側に書く。
最後に、3つめの分数を通分して右側に書いたときには、記号のことをすっかり忘れていて、引き算が足し算に変わっている。
こういう風に、脳内で記憶と操作を同時に行うと、うっかりミスみたいなモノが起こる。
これは計算が得意でも、得意でなくても起こる。
頭の中でやると、間違える
計算問題を頭の中でやると、計算ミスが出やすい。
頭の中でやると、覚え間違えたり、記憶がすり替わったりする。
これは出来が良いヒトも、そうでないヒトにも起こる。
ここで、出来ない子供の親は、注意不足だとか、集中してないとか、精神論的なことを言い出す。
でも計算ミスって、別に注意不足だとか集中力が無いから、起こるわけではないんだよね。
確かに、風邪引いて熱があったりすると、色んなミスが起こりやすい。
頭がボンヤリしていれば、脳はミスしやすくなるのは確かだ。
でも、出来る人は、ボンヤリしていても、集中していなくても、計算問題くらいならば正答を出す。
というのも出来る人は、計算ミスを減らすために、様々な工夫をしているからだ。
風邪引いて熱が出ていようと、大きなミスをしないような工夫をしているし、ミスが出たら気がつくようなやり方で計算を行っている。
途中式を、すぐ下の段に書くというのも、計算ミスを減らす工夫の一つだ。
計算式を下の段に書いて計算する
こういう風に下の段に途中式を書くと、上の段と比べやすいし、間違えていても気づきやすい。
なにもせずに、ただ写すだけでも、右に書くと間違えが起こりやすいが、下に書くと間違えにくい。
簡単なことだけど、こういう工夫が計算ミスを減らす。
子供の場合、数字の書き方も、紛らわしい書き方がある。
たとえば数字の2と3の区別とか、4と9の区別が付きにくい子供もいる。
こういう子供は、自分が書いた数字なのに、それを間違えたりするから、ハッキリと区別するように練習する必要がある。