仕事算 仕事を完成させるのに必要な工程数を考える問題
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中学受験の算数には、特殊算と呼ばれる様々な独特の解法がある。
ツルカメ算とか、植木算とか、仕事算などというヤツが特殊算で、およそ20種類くらいあるとされる。
特殊算は、数学で学ぶ方程式などを使わずに解く「便法」だ。
小学生段階では、連立方程式を習わないので、連立方程式を使わずに、ツルカメ算を使ったりするわけだ。
ということで、ここからは、様々な特殊算について書いていくことにする。
今回は「仕事算」だ。
仕事算とは?
仕事算とは、簡単に言うと、仕事の人員と終わる時間数を考える問題だ。
仕事算 例題1
A君は、ある仕事を完成させるのに8日かかります。
B君は、同じ仕事を完成させるのに6日かかります。
A君とB君が協力してこの仕事を始めれば、何日目に完成しますか?
仕事算の問題を解くには、2種類の方法がある。
まず仕事全体を「1」と置く方法だ。
仕事全体を1と置くのは、小学生にはイメージしにくいので、ここがまず難関になる。
なので「ピザに見立てた円グラフ」などを使って説明したりする。
そうすると、A君が1日に進める仕事は、全体の8分の1(1/8)になる。
一方、B君が1日に進める仕事は、全体の6分の1(1/6)になる。
そうして二人が協力して仕事を進めれば、1日に進む仕事は(1/8)+(1/6)=(7/24)と言うことになる。
一日あたりの仕事量が分かったので、全体量の「1」をこの7/24で割れば、仕事にかかる日数が計算できる。
1÷(7/24)= 24/7 =3.428… で、仕事が終わるのは4日目と言うことがわかる。
仕事算 別解
上の例題の難しいところは、仕事全体を「1」と置くというところだ。
しかし仕事を大きな1枚のピザで説明すれば、何となく子供も理解できると思う。
一方、仕事全体を1と置かない解法もある。
それが、公倍数を仕事全体にする方法だ。
この例題の場合は、A君が8日、B君が6日で仕事を完成するので、8と6を単純に掛けて48単位を全体量にする。
そうすると、A君は48÷8=6、B君は48÷6=8と言うことになるので、
A君は1日に6単位、B君は1日に8単位の仕事をする
と考える。
そうすると、二人が協力した場合、1日に6+8=14単位の仕事が進むので、48÷14= =3.428…となり、最初の解法と同じ結論が得られる。
最初の解法と、2番目の解法と、どちらが良いかは難しい。
というか「全体量を1と考える」と「全体量を48と考える」と、どちらが理解しやすいか。
前者は、分数の考え方が分かれば理解できる。
後者は、公倍数の考え方が腑に落ちておれば理解できる。
とはいうものの、やっぱりどっちも難しいよねえ。