仕事算とは、工数管理のこと
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仕事算とは、「工数管理(こうすうかんり)」のことだ。
モノを作ったり成し遂げる「プロジェクト」には様々な工程があり、それぞれの工程でさまざまな資源や労働量が必要になる。
その必要な工程や、必要な作業時間(工数)を考えて最適化するのが、工数管理だ。
工数は「人時(にんじ)」とか「人日(にんにち)」とか「人月(にんげつ)」といった単位で表されることが多い。
人時(にんじ)とは、1時間あたりの平均作業量のことで、一人で10時間かかる作業量を「10人時」と表す。
10人時の作業なら、5人でやれば2時間で済むし、1時間で済ませるなら10人必要という風に考える。
アルバイトの時給というのは、ほぼ1人時の労働コストってことだね。
仕事算というのは、工数管理という言葉を使わないで、工数管理の概念を考えているわけだ。
そして仕事算が工数管理だとわかると、仕事量全体を「1」と置くのは、かえってややこしくなる。
というのも、工程によって必要な工数は違うし、必要な人員も違うし。
仕事が突然増えたり減ったりするのにも、対応できないわけだし。
パンを焼く工程と工数
例として、パンを作る作業を考えよう。
パンを焼くには、小麦粉や水や塩、パン酵母やバターなどを用意して、練りあげてパン生地を作る。
このパン生地を数時間、高温多湿な場所で乾かないように発酵(一次発酵)させてから、小分けにして丸める。
さらに小分けにした生地を寝かせた後、形を整えてさらに発酵させる。
最後にパン焼き窯に入れて、焼いて完成させる。
パンを作る工程の中で一番人手が必要なのは、小分けにして二次発酵させた後、形を整える工程になる。
焼いた後の袋詰め工程も人手が必要だ。
菓子パンや、焼いた後にクリームを入れたりする場合は、その工程にも人手が必要になる。
パン生地を発酵させている時間も、パン焼き窯でパンを焼いている間も、人手を遊ばせておくのはもったいない。
そこでパンを小分けにして成形した後は、すでに焼き終わったパンを袋詰めするという風に人員を配置したりする。
こういう風に具体的な作業を考えると、「全体量を1にする」というのは、かえってややこしく、計算を難しくしてしまう。
なにしろ全体量を1にすると、計算は全部、分数でやらなくてはいけなくなるからね。
実際の工数管理では、分数なんか使わずに、整数だけで考えるし。
そこで、公倍数を全体量に設定するというアイデアが出てくるわけだ。
仕事算 例題3 (再掲)
A君は、ある仕事を完成させるのに10日かかります。
B君は、同じ仕事を完成させるのに9日かかります。
C君は、同じ仕事を完成させるのに8日かかります。
A君は最初、一人でこの仕事を始めましたが、終わりそうにないので、2日目からB君に手伝ってもらいました。
さらに3日目からはC君にも手伝ってもらいました。
この仕事は、A君が始めてから何日目に完成しますか?
この問題の場合、A君B君C君の1日あたりの作業量を整数で表すには、全体の作業量をいくつにすれば良いか。
それには、10と9と8の公倍数720を使えば良いと言うことになる。