学問の3段階と、入試問題
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学問や科学とは、人間界や自然界にある法則を見つけて、それを世の中に役立てるためにある。
人間界や自然界の未知のパズルを解き、それによって世の中をより良くするのが、学問や科学の仕事だと言い換えても良い。
つまり、過去に先人が見つけた様々な「すでに分かっていること」を知り、それを現実社会に利用する方法を身につけ、さらに未だ分かっていない事を明らかにするわけだ。
なので勉強というのは、【習得・修練・挑戦】の3段階を踏む。
勉強の3段階【習得・修練・挑戦】
- まず、知識の基礎となる用語や法則を覚える【習得】
- 次に、覚えた知識や法則を利用して典型的問題を解く技を身につける【修練】
- 最後に、身につけた技を使って、未知の複雑な問題を解く【挑戦】
- 基礎知識を覚えているかどうかを問う問題
- 覚えた基礎知識を利用できるかどうかを問う問題
- 基本問題だけではなく、複雑な問題に挑戦できるかどうかを問う問題
第一段階は、知識を覚えているか、基本的な運用力を問うだけだから、尋ねられたことをそのまま答えたりやるだけで良い。
第二段階は、覚えた知識を使って、パズルを解くときのように、試行錯誤しないと解けない。
第三段階は、仮説を立てたり、答えを検証したりという、より高度な学力が求められる。
満点阻止問題は、
入試問題には、3つの段階の問題が含まれる。
第一段階の問題は、単純に知識を問う問題で、「知っているかどうかを確認する」。
漢字や言葉の読み書き問題や、計算問題などがこのタイプの問題で、必要な知識を「習得しているか」を試す。
第二段階は「覚えた知識を駆使する力」を問う。
国語では、接続詞を選ぶとか、同じ意味の単語を探すとか、該当する部分を書き抜くとか、言葉にまつわる設問がこの段階の問題になる。
算数では、一行問題と呼ばれる、比較的シンプルな文章題がこれにあたる。
これは覚えた知識などが「充分修練されているか」、「技として身についているか」を試す問題だ。
最後の第3段階は、「論理力や検証力を必要とする問題」で、受験生の「挑戦する力」を試す問題だ。
これは別名、「満点阻止問題」と言われ、時間内に全問解くのは、よほどでない限り難しい問題だ。
入学選抜試験では簡単に満点が取れると点数に差がつかなくて合否が決められない。
そのため、解くのに時間がかかる問題や、発想力が必要な問題も入れてあるのだが、これで受験生の「スピード」や「根気」や「挑戦する力」を試すわけだ。
国語だと、長文を読んで著者の言いたいことを読み取ったり、登場人物の心理状態を想像するような問題になる。
算数だと、ダイヤグラムの問題や、規則性の問題、運動や、複雑な図形と水などの問題になる。
第一段階・第二段階は、あくまでもテクニックを問う問題だが、第三段階は、パズルを解くような根気と試行錯誤が必要で、最初に思いついた答えを書き殴って平然としているような生徒には、絶対に得点できないような問題だ。