合否判定では合格なのに過去問が解けないのはなぜ?
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模試の判定では、合格圏内なのに、過去問をやってみると全然点数が取れない。
模試ではずっと合格なのに、実際の入試問題には歯が立たない。
こういうことは、よくある。
合否判定で合格だというのに、これって一体何なんだろう、といつも思う。
考えられることはいくつかあるが、一つは、模試の問題レベルより、実際の入試問題のレベルが高い場合は、当然ながら歯が立たない。
模試というのは、いろんな学力レベルの受験生が受けるので、低学力の受験生でも解ける問題と、中学力の受験生が解ける問題を、組み合わせて作られている。
基本問題、応用問題、発展問題と言う風に、レベルの違う問題を並べているわけだ。
ところが実際の入試問題というのは、学校によって問題の難易度がかなり異なる。
たとえば偏差値が40以下の中学では、基本問題と応用問題しか出題されない上、基本問題の配点が非常に高くなっている。
国語なら、漢字の読み書きや、接続詞の選択などの語法だけで30点くらいある。
算数なら、計算問題と一行問題の問題数が多く、ここで正解が8割あったら、それで合格点になる。
基本問題さえ解ければ、充分合格点が取れるという構成だ。
一方、偏差値60以上の難関中学の入試問題では、基本問題が殆ど無く、応用問題と発展問題しか無い。
そのため、偏差値40くらいの子供がやっても、たったの1問も解けずに0点と言うことが起こる。
これは極端な例だけれど、入試問題のレベルが、模試の問題レベルより難しい場合、似たようなことが起こって点数が取れないわけだ。
偏差値レベルより、難しい出題をする学校もある
模試の合否判定ではA判定(安全圏)やB判定(合格圏)なのに、受験する学校の過去問をやってみると、全くと言って合格点に届かない。
その理由の一つが、模試の問題レベルより、過去問の問題レベルが難しい場合だ。
問題のレベルが高くなると、途端に点数を取るのは難しくなるから、全く解けない問題が増える。
そのために合格点が取れなくなる。
一般の高校生が、東大や京大の数学の問題を解いても、全く解けずに0点になってしまうだろうが、そんな感じだ。
実際、偏差値レベルと出題される問題レベルがかけ離れているような出題をする学校も多い。
偏差値は低いのに、難しい問題を出してくる学校もあるのだ。
模試でこういう学校のA判定やB判定をもらっても、過去問で合格点が取れないのは、仕方が無い話だ。
こういう学校では、公表している合格点よりも、実際の合格点ははるかに低かったりする。
また入試問題の出題形式の違いで、点数が取れたり取れなかったりすることも多い。
たとえば設問のほとんどに選択肢が用意されており、殆どの問題が、記号で答えるような問題形式なら、まぐれ当たりで点数を取ることができてしまう。
こういう出題形式では、ボンヤリした知識でも、選択肢を見れば思い出すので、点数が取りやすい。
逆に、殆どの問題を選択し無しに記述させる形式だと、曖昧な知識では、答えを書くことができない。
こういう出題形式では、力が無いと点数が取れないので、過去問をやっても合格点が取れなくなったりする。