偏差値45未満の子供に注意
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小6の秋からは、入試本番を意識した勉強に移行しないといけない。
入試本番を意識した勉強とは、入試で確実に点数を取る勉強だ。
大手塾の場合は、夏休み前で授業は終わりで、秋からは志望校別クラス編成での演習や、志望校対策に内容が変わる。
これは受験生のレベルに合わせて、確実に合格できるように指導するためで、同じくらいの偏差値の生徒を集めて指導する。
ただし同じくらいの偏差値の子供でも、得手不得手というのがあって、塾の対策だけではちょっと心許ない。
というのも同じ偏差値レベルの中学でも、素直な問題を出してくる中学と、ひねった問題を出してくる中学があるからだ。
素直な問題とは、例題や基本問題そのままの問題で、ひねった問題とは、応用問題に近い基本問題だ。
素直な問題というのは、基本的な解き方を、そのままやるだけで解ける問題で、これはまず絶対に解けないといけない。
一方、ひねった問題とは、基本的な解き方では解けず、解く前に図や絵を描いてみるなどの下準備が必要だ。
ところがこの、ひねった問題が全く解けない子供というのが結構いるんだね。
学力があって、模試の偏差値も55以上あるなら、ひねった問題もさほど苦にしないだろうが、偏差値が45に届かないような子供の場合は、調べてみる必要がある。
決まった解き方の問題しか解けない子供
決まったやり方で解く問題しか解けない子供がいる。
習ったとおりの順序で、習ったとおりのやり方でしか問題が解けない。
そのため、ひねった問題は全くお手上げで、何の答えも書けなくなってしまう。
こういうタイプの子供は、なかなか厄介だ。
というのも、問題を解く前に作戦を立てず、目に入った順番にやろうとするからだ。
たとえば、足し算や引き算の中に、かけ算や割り算が混じったような計算(四則混合算)でも、前から順に計算していったりする。
計算のルールでは、かけ算や割り算はひとかたまりのブロックで、先に計算しないと足したり引いたりできない。
しかし前から順に計算していくので、これでは計算間違えになってしまう。
そしてまた、習った順序通りしかできない子供は、計算を工夫してやれないから時間がかかる。
途中だけ計算するとか、3.14の掛け算をまとめるとか、割り算を分数の形にしてから計算するとか、そういった「計算の工夫」ができないのだ。
掛け算を見たらすぐに掛けてしまうし、掛けて大きな数字になったのを、また大きな数字で割ろうとする。
分数の形にして約分してからやるべき問題なのに、掛け算を見るとすぐに掛けてしまうため、遠回りで時間もかかるし、数値の桁数も大きくなるので、計算間違えも多くなってしまう。
そのため試行錯誤ができない子供というのは、計算問題の間違えがなかなか減らないし、ひねった問題はほとんど解けないので、成績はかなり悪くなる。
偏差値で言うと40以下くらいで、上がっても42くらいまでだ。
こういう子供をできるようにするには、かなりの時間が必要だから、早めに対処しないといけない。