入試直前に、志望校を変えるのは危険
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中学受験の志望校選びは、難しい問題だ。
中学受験を始める時には、自分の子供の学力なんてまず分からない。
学習塾にやれば学力は上がると思っているが、それがどの程度かなんてわからない。
さらに他の中学受験生が、どれくらいの学力があって、どれくらい勉強しているかなんて言うことも、なかなか分からない。
そこで小学校5年生くらいから模試を受けて、子供の偏差値を知り、自分の子供の学力レベルを知るくらいから、ようやく具体的な志望校探しが始まる。
まず最初は模試会場で行われる学校説明会に参加したり、私学が合同で開催する学校説明会などに参加する。
中学受験雑誌を買ったり、個別に学校説明があると言えば、子供を連れてそれに参加してみる。
そうして子供の模試の成績と志望校の合格の目安(偏差値)を比べて、いくつかの学校を選んでいくわけだ。
こういう手続きを経て志望校や受験校を選んでいる中学受験生は、入試本番まで頑張って学力を上げていくことが多い。
これは、学校訪問することによって、中学進学が具体的にイメージできるようになるかららしい。
目標がハッキリしているため、あとはどうやってそこに辿り着けば良いか、と言う風に脳が自動的に働くようになるらしい。
なので子供が行きたいと言った学校は、第一志望として必ず受験させるべきだろう。
たとえそれで受験に失敗したとしても、それを受け入れて第二志望・第三志望の学校に進学することができる。
しかし無理目だからと言って、第一志望の受験を諦めさせるのは得策ではない。
というのも子供のやる気が一気になくなり、受験どころの騒ぎではなくなってしまうからだ。
受験は、本人のモチベーションが第一
子供が行きたいという中学があれば、無理目でも初日に受験させるべきだろう。
でないと子供のモチベーションが高く保てない。
無理に志望校を諦めさせてレベルを下げさせても、合格するとは限らない。
というのも模試でA判定をもらっていても、入試で落ちることはよくあるからだ。
A判定というのは、あくまでも模試の出来から判断した80%合格可能性で、過去に同じ模試を受けた人の合否結果と照らし合わせた結果に過ぎない。
20%位、つまりA判定された受験生の5人に1人は不合格になっているのだ。
B判定は、60%合格可能性なので、B判定された受験生の5人のうち3人が合格、2人が不合格と言うことになる。
こういう風にA判定やB判定であっても、合格するまで油断できないのが、入試と言うものだ。
それにA判定だとかB判定だと言っても、それはあくまで過去の話であって、受験当日の学力ではない。
2月初めの入試なら、12月模試は約8週間前、11月模試は約13週間前。
テレビドラマなら、今、最終回を迎えたドラマが、ちょうど始まったくらい過去の話だ。
この10週間前後の期間の間に、B判定C判定でから合格できるほどに学力を上げる子供もいるし、逆に学力を上げられずに追い越される子供もいるわけだ。
だから、子供自身が選んだ第一志望の学校の受験を諦めさせると、子供は確実に勉強する気が無くなり、滑り止めだと考えていた中学も全部落ちてしまったりする。
受験は、本人のモチベーションが第一だから、とにかくまず第一志望の受験をメインに考えて、滑り止め受験は「念のため」という体(てい)で受験するようにしないといけない。