偏差値50を越えられない子供には、得手不得手がある
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国語の偏差値が45を越えていると、基礎的な文字の読み書きや、接続詞を選ぶ問題などでは、ほとんど点数が取れていることになる。
しかし偏差値50を越えられない、あるいは偏差値がテストのたびに、激しく上がったり下がったりする生徒の場合、文章の読解力に得手不得手がある。
つまり得意な文章ではものすごく成績が良いが、苦手な文章では、さっぱり点数が取れないわけだ。
国語の入試問題というのは、大きく分けて2種類の文章が採用される。
説明文や論説文などの論理的な文章と、物語文・詩歌などの心情を読みとる文章だ。
この二つの問題文は読み方が全然違う。
論理的な文章というのは、対比関係を確かめながら、どういう風に著者の持論が展開されるのか、いろいろ印を使いながら読んでいかないといけない。
一方、小説や物語の場合は、登場人物が事件によって変化していく様子を、時系列で捉えていく必要があるだろう。
論理文の方が得意な子供というのは、どちらかと言えば理科系で、抽象的な話が好きなタイプだが、物語文の「心情を読む」というのが難しいかもしれない。
物語に登場する主人公のタイプや立場が自分に近ければ何となく分かるが、そうでないとまったく心情が分からないってことが起こる。
人間というのは99%自分のことしか考えないものなので、他人の心情を読みとるというのは、けっこう難しい話なのだ。
登場人物が男か、それとも女かでも、心情を読み取るというのはなかなか難しい話だし。
しかし中学受験では、「他人の気持ちが分かる」というのは重要なテーマなので、物語文・詩歌の読解を避けて通ることは難しい。
こういうときは、少し前の学年の問題集を、たくさんやってコツをつかむというのが良いかもしれない。
基礎レベルから勉強し直す
国語の成績を上げるには、低学年の問題集から、やり直すと良いとよく言われる。
壁に当たったときに基礎からやり直すのは、スポーツや武術ではよくあることだ。
スポーツや武術では、何年も練習した結果、二本足で立つこと、歩くこと、走ることなど、基礎とも呼べない低いレベルから、やり直す必要があると感じてやりなおす。
フィギュアスケートの浅田真央選手が、オリンピックで銀メダルを取った後、4年間掛けて基礎からやり直したのは有名だが、おろそかにしていた基本を直さないと、高いレベルへは行けないと言うことなのだろう。
国語の場合は、中学生や高校生でも、とにかく低学年レベルの問題集からやり直し、どこから分からなくなるかを確かめるとよい。
低学年レベルの問題から順番にやれば、語彙力がどの程度不足しているかわかるし、どこからやり直せば良いのかわかる。
小学生低学年レベルの問題集ですら、まともに点数が取れないなら、上級レベルの問題集をいくらやっても、点数が取れるようにはなれないだろう。
実際そうやって初級レベルの問題集をやると、問題文に使われる言葉が易しいので、わからない言葉で困ることが少なく、スイスイ進むはずだ。
英文を読むとき、知らない単語ばかり出てくると、書いてある内容を考える前に嫌になってしまうが、それが少ないから、スイスイ進む。
そうして分からなくなったところから、時間を掛けてやり直していけば良い。