偏差値と入試問題のギャップは、何の目的?
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偏差値レベルが低いのに、入試で難しい問題を出す中学がある。
「こんな問題出しても、みんな解けないやろ」などと思うが、そういう学校は結構ある。
偏差値が低いのに難しい問題を出す学校は、公表されている合格最低点は55点くらいだが、実際はもっと低い点数でも合格できそうだ。
学習塾推薦があれば、かなり下駄を履かせてもらえるかも。
こういう中学は、どちらかというと、実際に難しい問題を解く学力よりも、難しい問題に挑戦できるチャレンジ精神を、試しているのかもしれない。
またこういうタイプのテストは、苦手な単元があっても、得意な単元で取り返せるタイプのテストだ。
勉強はさほどできなくとも、何か秀でたところがある生徒を求めているのかも。
逆に、偏差値が50以上あっても、標準的な問題を並べてくる中学もある。
こういう中学の入試問題の出題は、基本問題と応用問題が半々くらいあって、設問も素直な出題形式が多い。
しかし問題が易しい分、合格最低点は65点前後と高く、基本問題の配点も低いため、失敗は許されない。
問題は易しいけれど問題数が多かったりして、確実に速く正解して、点数を積み上げないといけない。
チャレンジ精神より、てきぱき問題を解く能力があるか、素早く処理できる能力があるかを試しているようだ。
こういうタイプのテストは、苦手分野があると不利なテストで、網羅的(もうらてき)に、全分野で点数が取れないといけない。
試験範囲全体を、しっかり勉強して、準備している生徒を集めたいと言うことだろう。
難関になればなるほど、問題を解く準備が必要になる。
偏差値レベルの低い中学の入試問題で、難しい問題を出してくる中学は、得意の科目や単元があると合格できる。
一方、偏差値レベルが中くらいの中学で、易しい問題を並べてくる中学の場合は、広い範囲の知識と能力を求めていて、入試にしっかり備えてきた生徒でないと、合格するのは難しい。
そして偏差値が60以上もある難関中学の場合は、工夫や根気、チャレンジ精神を試す出題が多くなる。
難関中学の入試問題は、基本問題の替わりが応用問題で、応用問題の替わりが発展問題になっていて、どうやって解けば良いのかわからないような、解くのに時間がかかるような問題を出してくる。
こういう問題を解くには、テキパキ解く能力の上に、発想力や、泥臭い努力と根気も必要になる。
難しい問題というのは、難しくなればなるほど、どうやって解けば良いか、色々試してから解かなければならない。
問題が何を求めているのか自体も難しいので、「まず問題を調べて理解する」という段階が必要なのだ。
問題を解くときに、いきなりフライパンを火に掛けて、材料をどんどん放り込むようなやり方では、通用しない。
問題を解くための下ごしらえが重要で、根気よく泥臭く、問題の求めている意味を理解できる事が重要だ。
「この問題を解くには、何をやれば良いんだろう」「これを言うためには、どういう条件が無いといけないんだろう」などと考え、試行錯誤しながら問題を解くのが、難関中学の入試問題だと言うことだ。