中学受験に偏差値は関係ない。安全圏でもバタバタ落ちる
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模試は9月からが本番だ。
9月からは試験範囲が全範囲になり、いろんな塾から受験生が集まってくる。
そのため、9月からの模試の結果は、受験校を選ぶ重要なデータになる。
9月の模試、10月の模試、11月の模試、そして12月初めくらいの模試で、合格可能性がわかるわけだ。
ところが11月・12月の模試で、目指す中学のA判定(安全圏)が出ても、全く安心なんてできない。
というのもA判定をもらっても、合格できる率はせいぜい80%くらいだからだ。
つまりいくら模試でA判定が出ても、実際に試験を受けてみたら2割くらいは落ちてしまう。
そして他の中学に行く羽目になるわけだ。
またB判定(合格圏)になると合格率は60%くらいで、実際の合格確率は、半々くらいになってしまう。
B判定は、受かってもおかしくないけれど、落ちてもおかしくないくらいの学力という程度で、つまり「運が良ければ合格するかもよ?」というレベルだ。
もちろん、B判定で合格する子供というのはいるし、さらにC判定でも合格して、講師を驚かせるような生徒もいる。
しかし現実には、第一志望校でA判定をもらっていても、1回で合格する生徒は珍しいくらいで、2回目の試験か3回目でようやく合格になることが多い。
なぜ合格判定が出ているのに、合格できないのかというと、入試を甘く見ている場合が多いからだ。
A判定は、何も保証しない。
11月の模試や12月の模試で、安全圏のA判定や、合格圏のB判定をもらっても、合格できるかは全くあてにならない。
60%のB判定で落ちるのは当然として、80%のA判定でもかなり落ちる。
合格判定されているのに、なぜ落ちるのかというと、受験というのを甘く見ている子供や家庭が多いからだ。
模試は、どこまでいっても模試であり、できようができまいが、不合格になるわけでは無い。
ところが実際の中学入試は、できたかどうかではなく、合格できるかどうかだ。
いくらできたと思っていても、他の受験生たちが高得点をとっていれば、中学入試で合格することはできない。
ところが中学受験する子供の多くは、受験を初めて経験するので、その辺りのことがよくわかっていない。
親御さんも、大学受験などの経験が無いと、受験の機微がよくわかっていなかったりする。
そのため、入試に向けて総復習し、追い込みにはいるような時期に、子供は友達と遊びに行く約束をしていたり、スキーや温泉に出かけたりする家庭もあったりする。
子供というのは、興味がころころ変わってしまうので、あんまり受験勉強以外の情報を入れて欲しくないし、冬休みは塾で8時間くらい勉強して欲しい。
変な話、入試直前の冬休みは、詰め込みに最適の時期なので、総復習して知識を詰め込みたいのだ。
学習塾で指導する側から言うと、A判定でもバタバタ落ちるのを知っているから、細心の注意を払って指導したい。
ところが志望校の合否判定でA判定が出ると、受験生本人も親も、もう合格確実だと思い込んで油断する。
そうして油断しているうちに、B判定の受験生が頑張って、追い抜かされてしまうわけだ。