くりかえし算数文章題プリント、算数が苦手な子供に
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くりかえし算数文章題プリントは、大判の市販の算数問題集だ。
B4サイズの、大きな問題集で、書き込み式のワークブックだ。
中学受験用の教材では無いけれど、算数に苦手意識を持っている子供には、一度試してみても良いかもしれない。
模試の偏差値が40前後をウロウロしているような子供は、小学校で習うレベルの問題でも怪しいので、ちょうど良いレベルだ。
この問題集の特徴は、活字ではなく、手書き風の文字で書かれているところだ。
挿絵のイラストも、子どもが好きそうな動物や植物がふんだんに入っていて、取っつきやすくできている。
算数が嫌いな子供のには、無機質な計算が嫌だというケースもあって、こういう体裁の問題集なら、多少やってくれる場合もある。
難易度的には、ものすごくシンプルな問題が並んでいて、中学受験の問題と比べたら、アホみたいに易しい問題が並んでいる。
がしかし、こういう超基本的な問題が、スラスラと解けないのが偏差値40前後の子供達で、教える側からすると、こういう超基本的な問題を山ほどやらせたい。
速さだとか、道のりだとか、濃さだとか、比だとか、超基本的な文章題がなかなかできないのが、このレベルの子供の特徴であって、これを何とかするには毎日とにかく繰り返しやらせるしか無いのだ。
というのも文章題というのは、計算問題とは違った難しさがあって、まず問題文が何を言っているのか分からない子供も多い。
問題を読んでも、一体何をすれば良いのか、がが皆目見当がつかない子供も実は多いのだ。
これは児童心理学などでは、「10歳の壁」などと呼ばれる難関だ。
10歳の壁と算数
計算問題はできるけれど、文章題ができない。
そういう子供の場合、大きな壁にぶつかっている。
これを児童心理学などでは「10歳の壁」という。
10歳の壁というのは、小学校4年生くらいから、急に勉強などが分からなくなるというもので、言わば「勉強の分岐点」でもある。
たとえば算数では、4年生から整数以外の数字が出てくる。
整数以外の分数や小数という数が出てくると、途端に算数が分からなくなり、つまづく子供が急に増えてくる。
というのも今までは、一個二個という、目に見えて数えられる数(具体数)ばかり扱っていたが、0.1個とか、2分の1個とか、中途半端な数が出てきて、何の意味なのかがさっぱり分からなくなってしまうのだ。
1個2個という数は、子供にとっては具体的な数で、変な話、指を折りながら考えることもできる数だ。
足し算や引き算で、指を折りながら考える子供もけっこういるが、小数や分数ともなると、指を折って考えようが無い。
そのため子供にとっては具体的に感じられずに、ここで分からなくなって、勉強が嫌になってしまうわけだ。
そして小数や分数などの端数を理解し始めて、計算もできるようになってきたとしても、次に割合とか百分率(%)などというモノが出てくると、また何のことだか分からなくなってくる。
小数や分数というのは、たしかに指を折って数えられないが、しかし単位をつけて実物をイメージすることも可能だ。
2分の1個とか、0.1グラムという風に単位をつけると、なんとなく具体的な数字だと言うことが分かる。
ところが割合ともなると、単位が無い本当に抽象的な数で、割合が理解できるかどうかも、勉強の大きな分岐点になる。
こういう抽象的な概念を扱い出すのが4年生からで、10歳以降を特に「形式的操作期」と呼ぶ。