大人の脳と子供の脳は、何が違う?
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人間の脳は、10歳くらいに完成し、大人の脳としての機能が整う。
大人の脳と子供の脳がどう違うかというと、子供脳は目に見えるモノでしか判断できないが、大人脳は目に見えないことも合わせて、いろんな判断ができる。
たとえば同じ分量のジュースがコップに入っていても、コップの形が違うと、子供脳には同じだと分からない。
液面の高さが高い方がたくさん入っているように見え、同じ量でも液面が低いと、量が少ないように感じる。
子供の脳は、目に見えることだけで判断するので、「形は変わっても、同じ量」だということが理解できないのだ。
そこで学校では、同じ大きさで同じ形のコップを持ってきて、量を比べたり、重さを比べたりして同じかどうかを調べさせる。
またメスシリンダーなどで分量を量ってみないと、実際にどちらが多いかが分からない、と言うことを学ぶ。
ところがこれは「おまえの目は間違っている」と言うようなもんだから、これを受け入れられない子供というのもいる。
違う分量だと思っていたモノが、比べてみたら同じだった、ということにビックリする子供なら、すんなり理解するだろうが、自分の感覚が絶対正しいと思う頑固な子供も多い。
短い人生でつかんだ、独自の理屈を否定されるわけだから、拒否反応を示すのが正常な反応だろう。
また、授業なんか全然聞いていないし、実験にも興味が無い子供もいるから、こういうことを理解しないまま進級する子供も多い。
9歳くらいまでは、未来や過去が分からない
子供脳というのは、抽象的なことが分からない。
たとえば幼稚園児は、明日とか明後日がわからない。
一晩寝た次の日とか、2回寝て起きたら、と言う風にしか理解できない。
また小学校低学年くらいまでは、日にちや曜日という概念が分からない。
なので今日が何月何日なのか、毎日のように親に尋ねたりする。
去年とか来年などというのがわかるのは、9歳前後であって、そこでようやく未来とか過去について考えることができるようになる。
だから10歳未満の子供には未来も過去もわからず、今、目の前にあるモノだけが「真実」なのである。
そのため、上の子供が何かご褒美をもらって、下の子が何にももらえないと、下の子は大騒ぎしたりする。
前に自分だけが何かもらっていたことなど、幼い子供は全く覚えておらず、今、目の前の状況だけで判断するわけだ。
こういう風に、脳には発達の段階があって、単に知識が増えていくというわけでは無い。
3年生まで、具体的な事を中心に学ぶのは、まだ抽象的な概念を理解できないからであり、4年生になってようやく抽象的な概念が中心になる。
なので「幼児教育は、早く始めても、できるようになるワケではない」。
脳が抽象的なことを理解できるまで待ってからで無いと、学習効果はほとんど無いわけだ。