9月からの模試は、試験範囲が全範囲に広がる
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模試は、秋からが本番だ。
というのも9月からの模試は、出題範囲が全範囲に広がるし、模試の参加者もドーンと増えるからだ。
7月までの模試は、どこの塾の模試でも、出題範囲が狭く限られていた。
模試の出題範囲は4月までに発表されているので、模試に対策していた塾の生徒の成績は良いし、対策していない塾の生徒の成績は悪い成績を取る。
大手の中学受験塾が主催している模試も、その塾内のカリキュラムで最近学んだことから出題される。
なので9月までの模試というのは、直近の3ヶ月間に学んだことさえ覚えておれば、そこそこ良い点数が取れるような試験だったわけだ。
学校で言うと定期テストくらいの範囲の試験なので、いわゆる「詰め込み」でも十分に点数が取れた。
ところが9月からの模試は範囲が限定されておらず、入試範囲全般から出題されることになる。
中学受験本番さながらの、難しい問題も出題される。
そのため、試験範囲全般をしっかり勉強していない子供は、出された問題によって良くできたり、全然できなかったりする。
自分が得意とする単元が出題されたら高得点をとるし、自分が苦手とする単元が出題されたら点数はがた落ちになる。
そのため、夏休み中に全範囲の復習をしていない子供は、ここで大きく偏差値が下がることになる。
塾としては、偏差値が下がると、夏休み、塾で一体何をやっていたんだと思われるので、困ったところなのだが、これはもう仕方が無い。
模試の参加者も千人単位で増える
秋からの模試は、参加者が増える。
首都圏の学習塾が集まって行っている首都圏模試も、回を追うごとに、参加者が千人単位で増えていく。
また日能研や四谷大塚、サピックスなど、自前で模試を行っている塾の生徒も、力試しで他塾の模試を受け始める。
大手塾に通う受験生というのは、他塾の行う模試は受けないものだ。
というのも大手塾は、塾ごとに独自カリキュラムを組んでいるため、一般模試や他塾のオープン模試があっても、試験範囲が異なるため参加しにくかったからだ。
ところが出題範囲が限定されず全範囲に拡がれば、どこの塾に通っているかは関係なくなるから、ライバルの受験生と比較が可能になる。
子供を通わせている塾の模試の判定が妥当か心配な親御さんは、試験日程が他の試験と重ならなければ、可能な限り模試を受けようと言う人も多いはず。
そうして夏前より二千人くらい受験者数が増え、それがまた偏差値を悪くする要因になる。
というのもこういう他流試合を挑んでくるのは、たいてい腕に覚えがある連中が多いから、平均点はどうしても上がってしまうからだ。
9月からの模試は、そういうわけで成績や偏差値はたいてい下がる。
今までの模試の成績は、限られた試験範囲で、限られた受験生しか受けていない試験の成績で、9月からの模試の成績が、本当の実力・成績だ。