文章題ができない子供は、問題文を絵にできない
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計算はできるが文章題ができない子供、こういう場合には原因が2つ考えられる。
その一つ目は、「問題を解くための力はあるが、問題文が何を意味しているのかわからない」という原因の場合だ。
これは問題文が何を求めているのか、正確に把握できていないということで、「問題文と数式の対応関係がよく分からない」というのが主な原因だ。
つまり「算数で使われる言葉づかい」と、計算式の対応関係がハッキリしないと言うことで、「こういう文章は、こういう意味なんだな」ということが分かれば、どんどん問題が解けるようになる。
問題文の意味が分かっているかどうかのチェック法としては、問題文の内容を絵に描かせてみればよい。
問題文がどういう話なのか、絵や図に描かせてみると、意味が本当に分かっているかどうかが分かる。
というのも人間の脳は、具体的な事は理解できるが、抽象的なことは、理解しにくいからだ。
そのため、抽象的なことは、絵や図という「モデル(模型)」を描いてみて、これは一体どういう意味なのかな?と考えてみるわけだ。
難関校の数学や理科の入試問題などでは、いくつもいくつも絵や図を描いて考えないと、何が書いてあるかさっぱり分からない問題も多いが、抽象度が上がれば上がるほど、絵や図を描いて具体性を持たせるという作業が必要だ。
ところが文章題が解けない子供というのは、問題文の内容を絵にするということが全くと言ってできない。
「じゃあ、この問題を絵にしてみて」と言っても、何にも描けない。
つまり文章題が解けない子供というのは、普段から、抽象的なことを具体的な事に変換する作業をしてないのだ。
抽象的な概念が分からない
計算はできるが文章題が解けない原因は、問題文が何を求めているのか、状況がよく分かっていないのが一つの原因だ。
何を言っているのか分からなければ、答えようが無いから、解けないのは当たり前だ。
問題文の意味が分かっているかどうかは、問題を絵に描かせてみれば分かる。
問題文を具体的な絵に描かせることによって、抽象的なモノを具体的に理解しようとしているかどうかが分かる。
そしてもう一つの原因は、もっと根深い原因で、「そもそも問題を解く力が、全くない」ことだ。
これは「抽象的なことを考える力が無い」ということで、いわゆる「九歳の峠」とか「10歳の壁」を乗り越えるのに失敗している場合だ。
たとえば
進んだ道のりは何kmですか?」
時速40キロというのは、1時間で40キロ進むくらいの速さということだが、長さや距離は目に見えても、速さというのは目に見えるものでは無い。
速さというのは人間が勝手に作ったモノサシで、実物があるようで、実は実物が無い。
なので子供の脳では理解できないわけだ。
実際、塾で小中学生を教えていても、速さがよくわかっていない中学生は、たくさんいる。
速さというのは、目に見えない抽象的な概念だから、定義に沿って処理していくしかないのだが、定義に沿って計算するというのは、中学生でも習慣になっていないから難しいらしい。
つまり市販教材の「くりかえし算数文章題プリント」などは、こういう基礎的な文章題の定着に役立つ。
模試の偏差値が40前後なら、これくらいの問題集の方がよい。