偏差値40未満の子供を待ちうける2つの壁とは
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模試で偏差値40以下の成績をとる子供は、基本的な読み書きや、計算問題、一行問題(簡単な文章題)ができない。
そのため、模試でも10点とか20点しか取れず、合格判定でも努力圏ばかりのE判定で、受ける中学が見つからない状態になる。
ならばやるべき事は簡単で、基本的な読み書きや計算問題を、とにかく繰り返し練習すれば良い。
そうすれば一般の小学生レベルの、偏差値45くらいの点数は取れるはずだ、、と思う。
ところが、6年生で偏差値40未満の子供の場合、いろんな問題があって、そう簡単に成績が上がらないのだ。
と言うのもまず「10歳の壁」と呼ばれる、抽象的概念の理解は、簡単に進まない。
4年生から習っている事が、6年生になっても理解できていないのだから、入試直前の数ヶ月で、できる保証など全くない。
精一杯詰めて勉強させても、読み書きや計算が多少良くなる程度で、棒暗記させてもほとんど解けるようにならない。
そしてもう一つの大きな問題が、受験生本人に「やる気がない」ということだ。
成績の良い子供というのは「できるまでやる」という執念があり、できるまで続ける根気もあるが、成績が悪い子供にはない。
それどころか成績が悪い子供は、自己評価がかなり低くなっているため、受験を目の前にしていても勉強から逃げる。
そのため、いつまでたってもできるようにならないわけだ。
脳が成長するにつれて、自分のダメさ加減がわかってくる
小学校低学年くらいの子供は、勉強ができないくらいでめげない。
というのも低学年くらいの子供の脳ではまだ、自分と他人を比較するということができなくて、劣等感を感じることが少ないのだ。
なので自分は何でもできるという、根拠の無い自信を持つ子供もいる。
ところが9歳10歳と成長するにつれて、脳が発達して大人の脳に近づいてくると、時間の概念や他人との比較ができるようになる。
そして自分の得手不得手を、ハッキリした言葉にできるようになっていく。
たとえば自分は国語は得意だが、算数は苦手だとか、自分は図工と体育は得意だが、社会は苦手だとか。
こういう客観性が生まれ、自分を評価するようになる。
ここまでなら問題は無いのだが、この時期から自己評価がどんどん下がっていく。
自己評価は小学校高学年から下がり始め、中学3年生くらいまで低い状態が続くという。
今まで持っていた根拠の無い自信が不安に変わり、自分はダメな人間だと思い始める子供もでてくる。
児童心理学の本などには子供というのは本来、競い合うことが好きだと書いてあったりするのだが、高学年くらいからは、不得意なことを避けるようになる。
競い合うのは好きだが、負け続けるのは面白くない。
そこで成績が悪い子供は勉強しなくなる。
勉強が得意なヤツには勉強で張り合えないから、別のことで頑張ればいいやと思ったり、どうせ自分には勉強の才能など無いから、やってもムダだと判断して勉強しなくなってしまうのだ。
そうして授業中の暇つぶしばかり上手になり、目の前の基礎的な勉強にも取り組めなくなってしまう。
これがつまり偏差値40未満の子供の状態で、ここから成績を上げるのがいかに難しいかわかるだろう。